飲食サービスマンの頭の中

ゲストとスタッフの満足度を高めるために日々模索中

「工夫」は無限

オリンピックが終わり、今はパラリンピックの真っただ中。時間が合う事もあってか

家にいる時はずっとパラリンピックを見ています。

 

パラアスリートの活躍を見ていて強く感じている事は「工夫は無限」なんだなと

感じています。身体的にハンデを持っていても、それを「工夫」「努力」

いくらでも「特性」に変える事ができるんだと思わせてくれます。

 

どうしても人間は出来ない事に理由を付けたがってしまいますが、パラアスリート

の皆さんの素晴らしい活躍を見ていると、そんな理由を付けている自分が恥ずかしく

なってしまいます。

 

「出来ない事」「変えられない事」に愚痴や文句を言っている暇があったら、

その状況下の中で「何が出来るのか」「どんな工夫ができるのか」を考え、

それを形にする事が、重要でとても生産性の高い事だと思います。

 

このブログのテーマにこじつけるのならば、接客の現場でも「出来る事」

「出来ない事」があります。

「接客にNOはない」という格言が接客サービス界にはありますが、それはあくまで

マインドの問題で実質的な事として出来ない事は存在します。

そういった「出来ない事」に直面した時にそこで「出来ない」で終わらせてしまう

のではなく「工夫」を凝らして形を変えてサービスを提供する事が大切になります。

 

「工夫」には限りはありません。知恵を絞ればいくらでも出来ます。

それでも「出来ない事」は存在するのですが、出来るだけその可能性を消すための

「工夫」と「努力」はやり続けなくてはいけないのだなとパラアスリートのみなさんの

活躍を見て強く感じました。

接客サービスの神髄とは?

ここ最近、異業種の方々や同業種でも働く場所が違う方々とお話する機会があり、

その中で「接客で重要な事」「お客様に満足していただく為のシステムとは?」

といった議題が上がる事があり、私なりに他の方々の有益な情報になるような事を

提供したいと、過去の経験や出来事からいろいろと答えを探していたのですが…

 

いろいろ考え込んでいて、ふと出たキーワードが、

「お客様の前で常に笑顔でいられるか。」

という言葉でした。

「価値観」や「スキル」といったもので最適な答えを出そうと考えていたのですが、

出てきのは、このキーワード(笑)

 

そういえば昔(いや、そんなに昔でもないか…)新人だらけの会場に赴任した時、

褒めても、叱っても、怒っても(←これが一番多かった)一向に成果が見られず、

途方に暮れていました。そんな状況で何か改善策はないものかと考えた時に

「そもそもこの子達、笑顔でサービス出来ているのかな。」

という疑問に当たりました。

 

その視点から、まず自分を見直すと、そもそも私が一番怖い顔をしているんじゃないかという事に気が付きました。一応、サービススタッフの中では私は偉い方だったので、

そんな権力を持ったおっさんが怖い顔をしていれば、その下で働く人達は、顔色を

伺って、笑顔にはなれません。失敗や間違いを恐れて(権力のあるおっさんに怒られる)いたら、お客様の前に立っても笑顔でいる事は難しい。

 

そこに気が付いた後からミーティングなどで発言する際は、

「お客様の前では何があっても笑顔でいること。」

をみんなの目標として協調するようにしました。もちろんその「みんな」には

私も含まれているので、もし私が笑ってなかったら、だれであろうと指摘する。

権力のあるおっさんに指摘しづらい時は、そのおっさんの上司に密告する(笑)

といった約束事を全員徹底していくようにしました。

 

これは、接客業だけの話ではないと思いますが、やはり「笑顔」は接客においては

「神髄」とも呼べる超基本であり、笑顔の上に技術は積み重ねられていくものだ

思います。

 

どうしても超基本過ぎて、指導する側からすればその視点を疎かにしがちなのですが、

事実として、私のその会場は、以前に比べてチームとしての能力が著しく向上しました。もちろん、「笑顔」だけで物事が全て解決するわけではありませんが、

お客様に対しても、仲間に対しても「笑顔」を見せ続けらる環境は、とても居心地の

良い場所である事は否定できません。

 

あなたは昔の私のように怖い顔して仲間に「笑え」と言ってませんか?(笑)

接客?サービス?接客サービス?

私が書いている「相手に対して満足を提供し、対価を得る」行為は、「接客」と表現するのか、「サービス」として表現するのか。はたまた「接客サービス」として表現するのか。

 

私も正直、このブログを始めるまでは何とも思っていなかったのですが、いざ文章化してみるととても気になるし、疑問。

いろいろと調べていたら、やはりそれぞれの解釈があるようで、これが「答え」というものが見つけられませんでした。職種によってもとらえ方が違うのかなとも感じているのですが、多分私が書いているものは「接客サービス」と表現されている方が多いと感じました。

 

「接客」客に応対すること。客を接待すること。

「サービス」誰かのために何かを行うこと、他者助けになること。無形の財や価値あるいは労役などを提供すること。

三省堂大辞林第三版より)

 

こうやって意味を書き出していくと、同じような意味をくっつけて「接客サービス」と表しているようで、私は何かスッキリしません(笑)

全然まとまりませんが、私としては「サービス」の意味として使われる説明の「無形の財や価値を提供すること」という言葉がしっくりきました。

なので、このブログでは「サービス」という表現が増えると思いますが、このブログの内容は「接客」にも「接客サービス」にも使える内容になれるように書いていきたいと思います。

5つの理想のサービスのカタチ

私の中でのサービススタッフの「理想像」とは、

 

・「短時間でゲストの信頼が得られる」サービスが出来る。

・「邪魔をしない」サービスが出来る。

・「ゲストを不快にさせずにコントロールする」サービスが出来る。

・「攻め」のサービスが出来る。

・「等価交換を理解し意識した」サービスが出来る。

 

以上の5つが上げられます。

この5つの項目の根底にあるのは「いかにゲストの気持ち良い部分を鷲掴みに出来るか」です。

ゲストと対面して、短時間で信頼を得る。そこからのサービスはゲストの心地よい空間を邪魔をせず、心地よい気分のままこちらの都合の良い時間配分などにコントロールをする。

そのサービスは受け身ではなく、攻めのサービスであるべきで、そのサービスはその場所の価値にふさわしいサービスである事が理想です。

 

この5項目は私の今までの経験の中で導き出した項目ではありますが、この5項目を満点で終えられることはほとんどありません。ただ、何事にもそうですが、目標のない努力は無駄に終わる事が多いです。そうならない為にも、対面したゲストに最大級に満足していただく為にもこの5項目を満点に出来るように日々努力を重ねています。

 

今後はこの5項目を深く掘り下げていきたいと思います。

接客サービススタッフとして大事にしたい技術(ゲストを観察する能力『洞察力』)

接客サービススタッフとして必要な技術として

「愛想と愛嬌」「挨拶」「返事」「身だしなみ」

を挙げました。

 

私はさらに初期から意識して身に着けて欲しい技術として、「洞察力」を挙げます。

 

「洞察力」… 物事の性質や原因を見極めたり推察したりするスキルや能力

 

つまり、ゲストの見えない部分までもしっかりと観察をして、見極めて、行動を起こせる力が接客サービスには重要だと私は考えます。

それはなぜか?

 

サービスの現場は「ゲスト主体」の空間だからです。

 

つまり、どんなに自分が「良いサービスをしている」と思った行動でも、ゲストが

不快に感じれば、それは「悪いサービス」になってしまいます。

実際に接客サービスをされている方なら、この意識のズレを痛感される事が多いと

思います。

しかし中にはこのズレが理解できず、逆にゲストに不快感を持つ方を私は何人も

現場で見てきました。

 

どんなものにも基本の型があります。接客サービスにおいてもそうです。

長い時間、接客サービスに関わった人なら「これが私にとっての良いサービスだ」というこだわりがあるはずです。私もその中の一人です。

しかし本当にゲストにとって「良いサービス」とは、

 

いかに型にはまらず(そのように見せかけて)ゲストを「洞察」し、ゲストの気持ち良い部分を

しっかりと鷲掴みにすることなのだと私は考えます。

 

その為には、鋭い「洞察力」とそこから導き出された答えを遂行できる技術が必要となります。

 

ここで「型」という話を持ち出すなら、無数の型をいかに持てるか、または新たに作り出せるかがその人の接客サービスの力となると私は考えます。

 

しかし、この「洞察力」は簡単に身につくものではありません。やはり長年の経験に

より積み重ねられていくものだと思います。

 

だからこそこの「洞察力」は早い段階から意識だけはしてもらいたいと思います。

なぜなら、

 

「洞察力」を鍛える事が接客サービスというものを「面白く」していく要素としても

とても重要だと私は考えているからです。

最初に身に着けるべき技術とは(大事にしたい4つの技術)

サービススタッフにとって必要な資質として一番に挙げられるのが「愛嬌」「愛想」です。

 

・愛嬌…人懐こさや好ましさを感じさせる表情や振る舞い

・愛想…相手から好感を持たれるような心遣いの言葉や話し方

 

この二点はサービスを提供するに当たっては、とても必要です。

私は新人研修を行う際に、この2点を踏まえた上で、

 

・ゲストにだけでなく、一緒に働くスタッフにも元気よく「挨拶」をすること

・スタッフにもゲストにもきちんと「返事」をすること。

 

を強く求めるようにしています。

基本的な事ではありますが、挨拶をする、返事をするとは自分の意思をしっかりと相手に伝える一番シンプルな方法。サービススタッフは、自分の意思を間違いなくゲスト(や仲間)に伝える事が、「良いサービス」と言われる基本であると私は考えます。

そして、しっかりと意思を伝えられる行動が「愛嬌が良い」「愛想が良い」に繋がるのだと思います。

 

ゲストの前で「愛想良く」挨拶や返事をするには、やはり練習と習慣化が必要です。

その為にも、普段からよく会う他のスタッフで練習するのが一番です。

また、披露宴でのサービスのように、様々な分野の方々と一緒にお仕事をする際は、

関係を深める為にも「挨拶」と「返事」が大事になってきます。いつも会う人達に

「愛想良く」挨拶、返事出来る事で、初めて会ったゲストにも緊張なく同じような事が出来ます。この事からも「挨拶」と「返事」は「愛嬌と愛想」を身に着ける為にも

有効な手段だと考えます。

 

さらに「愛想と愛嬌」に付随するものとして、「身だしなみ」を挙げたいと

私は思います。

清潔な身だしなみは、サービスを提供するものなら当たり前ではありますが、統一した

身だしなみはそのサービスを提供する特別な空間を作り出すためには不可欠なものであると私は考えています。

どこまで個人としての自由を認めるかは、その場を作るリーダーの判断によっても変わるとは思いますが、「統一感のバランス」はその空間を良いものにするのには、

不可欠なものです。

 

どうしても「個人の主張」が尊重される現代ではありますが、

 

リーダーはただ「規則」として「きっちりしろ」と説明するのではなく、

「なぜそうする必要があるのか」をしっかりと説明しスタッフに理解してもらう

必要性がある

と私は考えています。

 

「愛嬌と愛想」「挨拶」「返事」「身だしなみ」

 

この4つは接客サービススタッフとして働く事になったら、最初に身に着けて

もらいたい技術だと思います。